ショック①
今年の中学入試も終盤に差し掛かりました。
「コロナショック」と呼ぶのがふさわしい、特別な入試になっています。
「○○ショック」
と言えば、有名なのが「サンデーショック」。
2月1日が日曜日の年に起こる、首都圏の中学受験の混乱を指します。
女子御三家の一つ、麹町の女子学院中学校はプロテスタントの学校であり、日曜日には入試を行いません。
その年は2月2日に移動するため、大混乱が起こります。
「なんだ、女子の話か。」
と終わらないのが、「ショック」たる所以です。
★どんなことが起こるのか?
まず、女子御三家(櫻蔭、女子学院、雙葉)の入試は2月1日のため、これらを狙う最上位層女子は、この中の1校しか受験できませんが、女子学院が2日になれば、2校受験できてしまうことに。
ここで、一部の受験生にとっては、「ショック」ではなく「チャンス」になります。そう、チャンスが2倍になるのです。
でも、女子学院志望者には、「なんでこっちに来るんだよ!」という「ショック」になります。
当然、例年なら合格できる筈の受験生が、押し出されてしまいます。
押し出された彼女たちはどこに行くのか?
多くは偏差値・難易度で御三家に次ぐ位置の中学へと向かいます。
仮にその中学をA校とし、さらにその次をB校、C校としましょう。
A校志望者の一部は御三家受験者に押し出され、B校志望者もA校受験者に押し出されるという連鎖が起こります。
このとき、A校、B校、C校の中には共学校も含まれてきますので、男子も影響を受けない筈はありません。
結果、2月4日まで合格がもらえない上位生が多く残り、5日・6日に最後の望みをかけて集まります。
4月に入学してみたら、塾の偏差値よりも10以上も低い中学なのに、クラスメイトは御三家受験者ばかりという中学も出てきます。
この混乱は、東京入試だけではありません。
東京より先の千葉入試から、「ショック」は始まっています。
市川学園、東邦大東邦などには、東京からの受験生も多く、東京の中学を志望する受験生にとっては、お試し受験として位置づけられている面もあります。
各中学校は、例年の合格者数と入学手続き数の関係や、大手塾との情報交換で歩留まりを予想しています。
ところが、サンデーショックのこの年は、都内の混乱がどの程度か予想がつかず、歩留まりを読めません。
そこで、1月の入試では合格者を絞って、2月の入試で調整するように戦略に出てきます。
そう、一部の千葉入試でも、例年なら合格できる筈の受験生が、不合格となってしまいます。
塾の偏差値が60後半もあったのに、やっと合格できたのが偏差値50前後の中学だったという受験性が多くなる。
これが「サンデーショック」です。
塾の先生は入れ替わりが早いので、サンデーショックについて詳しく知る人はほとんどいません。
2009年、2015年がサンデーショックでした。
次は、2026年です。
今、小学1年生が受験を迎える年です。