中学受験の過去問対策①
長年、中学受験指導をしております。中学受験生にとっては、いまは過去問を中心とした志望校対策の時期ですね。
10月ですと、どの受験塾でも「志望校の過去問をやるように」と指示されます。しかし、その扱い方は塾によって様々で、適切なやり方を指導する塾ばかりではありません。塾によっては、ほぼノーチェックのところもあります。
そこで、過去問に取り組むうえで知っておいた方が良いことを定期的に発信させていただければと存じます。
①理科の問題構成について
「理科は大問1から解いてはいけません」
それはなぜか?と申しますと、理科は算数と異なり、大問1から順番に後ろに向けて難易度が上がっていく訳ではないからです。算数ですと、多くの学校の入試で計算→一行問題→応用→発展と並んでいますが、理科はそうではありません。
理科は多くの学校で大問4個で構成されています。その理由は、物理・化学・生物・地学の4分野の先生方が作問しているからに他なりません。そのため、難易度順に前から後ろへ並んでいる訳ではないのです。とある難関中学は毎年のように大問1の物理が難しく、ここから解き始めると苦しくなります。
ですから、大問1から手を付けるという習慣をやめて、全体を見渡して解く順番を決める判断力が必要になります。では、どの問題から取り組むべきなのかという点については、お子様の得意・不得意や学校ごとのクセを見極めることが必要です。
問題の解き方・考え方を教えるのはもちろん大切ですが、学習方法やテストの受け方をご家庭やお子様にお伝えし、チェックしていくことも重要だと考えております。